2015年07月29日

新たな世界のものがたり

昨日手に取ったばかりの本に夢中になるあまり、通勤鞄がヘビーモード。
ごきげんよう、こうやです。

何の本かって、それはもう、今さらながらではありますが『アルスラーン戦記』でございます。今日は7冊入れてました重たいね。

こうやさんはけっこうわがままなのですが、そのわがままに一番翻弄されているのは実はこうや自身。
本屋さんに行って、いつもの続刊、作家さんの新刊類をチェックした後に、おもむろに下る指令があるのです。

「とにかくおもしろくて夢中になれるけど仕事が手につかないほどにはならず、でもページを開いた瞬間にその世界にのめりこめる力があり、先が読めなくてわくわくするけれども心が重くならず読後感がさっぱりして希望の光が灯るような作品を読みたい。」

どれだい?

もっとひどいときはこんなの。
「ふぁっとしてすかっとするけど善悪二元論でも勧善懲悪でもない、それでも明るいもの」

どうやらこうやさんはアウトプットが感情的なのですが、インプットは理性的な条件でありたいため、こんな条件をアウトプットした瞬間にインプットが混乱して途方に暮れてしまうのです。
どんなの、だい?
そのうえタチの悪いことに、わたしが愛する作家陣はどうも読後感が明るいとはいえず、なんなら明るく終わることもできず、心に深い爪痕を残すもののことのほうが多かったり。
我ながら難儀なことですが、つまり既存の好きな作家陣では願いが叶わないわけです。
まいったねぇ。

そんな折、ついに食指の伸びたのが、アルスラーン戦記でした。
作者は銀英伝で知られた田中芳樹さんですが、わたしにとってはなんといっても創竜伝のイメージが強い。CLAMPさんの美麗な表紙にうっとりしつつ、4兄弟の物語をむさぼるように読んだものです。
そして現在本屋さんで平積みにされている表紙は、十二国記でおなじみの山田章博さん。こちらもまたなんともいえずうつくしい……
しかしまあ、最初は様子見のつもりで買いまして。
読みまして。
翌日、大人買い♪
心の神棚に十二国記と守り人シリーズ、獣の奏者を陳列しているわたしにとって、この物語を、厭ういわれはありませんでした。

強国パルスに、隣国ルシタニアが攻め込みます。勇猛な王のもと、パルスはあっさりとルシタニアを追い散らす筈でしたが、立ち込める霧の向こうに裏切りの影が……

美しく富んだ国、パルスの強奪に始まったこの物語は、勇敢な騎士たち、そしてうら若い王子の冒険を中心に進んでいきます。
はい好き。もう好き。
中東をモデルとした異世界に、ファンタジーを成り立たせる重厚な歴史背景と人びとを設置し、その地理歴史や社会情勢が絡み合う、この、この、この!
まさに英雄譚、まさにサーガ。
ファンタジーとはかくあるべき、成長物語とはこうあるべきという、お手本のごとき作品で。
手も無く陥ちました。好きです。間違いない。
ましてや、無敵に見える騎士や智謀に長けた世捨て人、うつくしく強い女神官(しかしいずれも型通りとはいかず個性的かつ魅力的人物)に囲まれるひな鳥のような幼い王子の、まだ可能性の塊のような頼りなさ。
彼がいかに学び、成長していくかが楽しみになってしまいます。
しかもその出生やなにやに見え隠れする謎もあり、あああ早く明かしてと身悶えしたくなるものの、一時置いておかざるを得ない事態が目白押しで、また敵役も憎んでばかりもいられない方々ですし、それぞれの正義が異なるとここまでなるのかと思うような。まだ4巻までしか進んではいませんが、もう本当に、それどころじゃない!ぜ!な感じ。
一介の社会人として時間時間で労働をしているわたしにとって、まさに上記の条件を満たすすばらしい友として、今、アルスラーン戦記があるのです。

思えば学生時代は自由でした。
読みたい本があったなら、授業中でも読める。
高校あたりからはサボってでも読む。
なんなら徹夜してでも読む。
カラマーゾフの兄弟で頭がいっぱいになっていたとしても、試験がない限り影響はありません。
いくら本の世界に心を飛ばしていても、それはいわば自己責任。
いくらでも、いくらでも、それこそむさぼるように読んだって、湯水のように時間は湧いてきたのです。
それが徹底的に損なわれたことを知ったのは社会人になってから。
わたしが不器用なだけなのでしょうが、心を本の中に置いたまま働けず、したがって読む本を選び制限しなければいけないようになり。
本を買えるようになったら、読むチャンスが減ってしまったというこのジレンマに、未だに悩んでもいます。
もう少し心が強くなれたら読もう。
そう思って積んだままになっている本がどれくらいある?
疲れ切った今は読めないな、と思ってしまう本が、どれほどある?
文字を読まずにはいられないわたしが、物語を読むのを諦めるなんて。
こんなつらいこと。
でも。
今、アルスラーン戦記を読むことができて、とてもしあわせに思います。
読書の楽しみを、改めて得られているから。

アルスラーン戦記でなにかを思い出すと思っていたのですが、たぶん、グイン・サーガとNARUTOです。英雄譚の歴史物語。
特にグイン・サーガとは、主人公たちの置かれた立場も似通っていることもあり、重なる部分も多いのでしょう。

さてこの先この物語がどう動いていくのか、楽しみに読書に戻りたいと思います。

勢いよく書いてしまって読み返す気になりませんが、本当は別の本題があってその前置きのつもりでしかなかったのに、好きなものへの愛に我を忘れてしまったこうやさんでした。
今日の本題の予定だったものは、またそのうち書きましょう。

でゅわっ!
posted by こうや at 22:13| 東京 ☀| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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