2014年02月22日

忘れられた実験室の忘れられない話を書きたいけどまとまらなかった

今年オープンしたばかりの、道玄坂にあるヒミツキチラボでの初の新作公演、「忘れられた実験室からの脱出」に行ってきました。

名作と名高い「マッド博士の異常な遺言状」のスピンオフ作品として位置付けられているこの作品、前評判がかなり高くてわくわくしてました。
もしかしたら唯一無二になるかもしれないという新システムも導入されているらしく、それってもしやああいうことかな、でもそれは厳しいのではないか……などなど考えてみたり。
結果としては、あらゆるピースをすべて手に入れたにもかかわらず、そこに至るひとつを凡ミスしてあんだっしゅほーいでしたが、うん、なんというか、経験できたことはとても良かったと思います。

なんとなくいろいろと考えたことをメモ代わりに書いておきたくて。
感想というより、備忘録です。
image-00260222210706.png

そもそも、リアル脱出ゲームってなんなのでしょうか。

ほぼSCRAPさんの公演にしか参加したことがないため、これ以降はほぼSCRAPさんに限って話してみます。確かリアル脱出ゲームの元祖はSCRAPさんなので、そこまで外れはしない筈。
わたしの理解では、リアル脱出ゲームとは、もともとネットゲーム……というかパソコンゲーム?だった「脱出ゲーム」をリアルにやってみよう、というところから始まったもの、です。
だから、リアルにやる脱出ゲーム、で、リアル脱出ゲーム。
わたしはその本家本元の脱出ゲームをやったことがなく、リゲームのイメージしかないのでもしかすると的外れかもしれませんが、わたしの理解によるリアル脱出ゲームというものは、アジトの常設公演です。
部屋中を探索(クリック)して手がかりを集め、文字通り物理的に脱出する。
アジトにはまだ半分くらいしか参加したことがありませんが、今のところGUNKANの「ある牢獄からの脱出」が一番好きな公演です。あのがちゃがちゃなギミックが、クリック連打のわちゃわちゃ感に近いかなって。
ある程度のストーリーがあったり、自分を主人公にした「物語体験」を味わうというよりも、閉じ込められたという「設定」とそこから制限時間内に「脱出」しなければならないという目的、その可否を純粋に問うだけの、ジャンルとしての脱出ゲーム。です。
それに対し、二つの新たな流れが出てきたのだと思います。
ひとつは「脱出ゲーム」からの派生ではなく、どちらかというと懐かしのあの「ゲームブック」……つまりTRPGの流れに近い、「物語体験」を楽しむもの。
そしてもうひとつが、いわゆる周遊型と呼ばれる、より日常に沿った形でゲームを楽しむというものです。
今回は周遊型は割愛します。まとまらぬ。
物語体験を楽しむものには、非常設型の公演が当てはまると思います。人狼村からの脱出や、コナンや宇宙兄弟とのコラボ作品、マッド博士に、今やっているあるオークション会場からの脱出など。
ここでは閉じ込められたなどの設定を膨らませてオープニングがつき、その物語の一員として、「周りのテーブルの人はなかったことにして」テーブル内完結で謎解きをします。
この謎は、アジトのような探索中心というよりも、もっと論理パズル系のもの。
わたしは探索があまり得意でもなければ「なぜこんなことをするのか」というところが引っかかると楽しみきれない(そういう意味ではパズルルームは納得できました)ので、ストーリーと謎解きが合致していれば楽しめます。
謎解きが好きなら、「この謎を解くとこんなストーリーになる」で楽しめるのかもしれません。
でも本読みの性なのか、「この物語を楽しむために」を主体にしてしまうんですよね。
この物語において、どうして謎を解かねばならないのか。
謎を解くために、物語をくっつけてはいないか。
究極、謎はなくてもいいのです。私はね。
素敵な物語を味わえれば、それでいい。
でも、テレビや映画のようにただ与えられるだけでなく、より能動的に物語に関われる手段として、きっと謎は存在している。
その意味で、わたしが好きな公演は「潜水艦ポセイドン号からの脱出」であり、「マッド博士の異常な遺言状」であり、「魔法禁書エンラッドからの脱出」なのです。あ、エンラッドさんはまた後で触れますが。
特に、よくまとまっていたなあと思うのがマッド博士。
この謎の出題者(もちろん真の出題者は主催者ですよ)が見えている。架空、設定であっても、盤上の敵が存在する。
その仮想敵に勝つために、謎解きを進めるというのが、一番しっくりする解き方なのです。
だって、あの手の謎なんて、そうでもしないとこの世の中に出てこないじゃないですか。
ファイブレインの世界じゃないんだから(ごめんなさい見たことはないです)
仮想敵でなければ、ポセイドン号のように、別の価値観の場所……ある種のファンタジー空間に行くのが、しっくりきます。
なんだろう、ポセイドン号はたぶん西澤保彦さん好きだと好きなんじゃないかしら。だいぶ違うねすみません。言っててずれててびっくりした。
マッド博士なんかはファンタジーにもミステリーにも通じるものがあるのかなと思います。場所設定がいまいち納得いかなくて探索はどうつながるの?ってなりましたが。考えすぎですねそうですね。
で、この方向性をさらに推し進めるのか、もしくはよりアジト寄りにするのか、分かれるのが、大規模公演だと思います。
巨大神殿はアジト寄りですね。エンラッドさんは物語寄り。
個人戦の大規模公演では周りの人をどう考えるかによって違うのかなぁと思います。うん。なんだろう。大規模だからこそ軸にぶれを感じてもやもやするところもあります。エンラッドさんが好きだったのは、全編通してマジクエストという「作り込みのなされた異世界空間における仮想敵=魔法禁書エンラッドさんのルールに則ったうえでエンラッドさんから脱出する=お眼鏡に叶った遊びを達成する」という、エンラッドさん自身が楽しんでわたしたちと遊んでいる感じがあるというか。
ああもう。
まとまらない。

これだけ長々と書いたのはなにかというと。
今日参加した忘れられた実験室は、どちらのジャンルとも違うなあと思ったからです。
基本的には物語体験を楽しむ側なのですが、さらにそれぞれのテーブルが、制限時間内にひたすら「物語を紡いでいく」体験のできる公演だったなあと。
思うのです。
以前、はじめてリアル脱出ゲームに参加したときに、わたしはこれを「渡されていない脚本を手探りで探しつつ演じる」舞台のようなものだと感じましたが、それをさらに強く感じたような。
気がします。
しかも、わたしたちはもはや役者ではなく、物語の登場人物そのものだったような。
パソコンのゲームから始まり、さらにTRPG的要素の潮流ができたそこに、ノベルゲーム的な形ではあるものの物語そのものが流入して。
また違う形の流れが、できる可能性があるのかもしれないと、思いました。
でもこれ、主催者側の負担がめっちゃ大きいですし、規模の拡大もロングランも容易ではありません。
それこそどこぞの劇団のようにそれぞれの組が順に、といった形でないと、息切れしてしまうと思います。
んー。
なにを書きたいのかわからないぞ。
とにかくひとつ言えることは、物語の設定、構成、盛り上がりに至るまで実に美しく練られており、オープニングに始まり謎解きからエンディングまで実に楽しめたということ。
そして、マッド博士と、だてこロイドことラボ子さんのことが大好きになれたということです。
マッド博士……面白い人だなあ。
ミステリーにおける怪人二十面相やモリアーティ教授のように(古いかな)リアル脱出ゲームにマッド博士がいることは幸福なのだと思います。
うん。
いわゆるリアル脱出ゲームではなくて、リアル物語紡ぎ空間……リアルノベルゲーム?そんなカテゴリーに近くなってはおりますが、その新しさも含めて、わたしは、好きです。
そしてその好き、は、諸手をあげて楽しかったー!わきゃー(≧∇≦)となるタイプではなく、むしろしみじみ噛み締めてこんな風にぐだぐだいろいろこねくり回して考えていきたいタイプの好き、です。
わたしの好きなタイプの小劇団の公演観た後に近いなぁ、この感じ。
やっぱり、かなり、舞台寄りなのかな。
双方向性舞台。お互いに創り上げる物語。

公演終了後、どうしようもなく物語世界に浸りたくなり、立て続けに3冊読了したのはわたしです。
物語の持つ訴求力に気づける作品でした。

んー、でも、なんだろう、書ききれない。
うまく言語化できないもどかしさがあります。
とりあえず、パズルガールズさんはすごいな、よくこれでゴーサイン出したな(褒め言葉として)というのがあります。ご自身で何度も企画検討を重ねて作り上げていったそうなので、その熱意と、なんというか、すごいな。と。思います。
思わずニューシングルのCD予約しちゃったからね。そのくらいにはわたしに影響ありました。
うむ。
そのうちまた、落ち着いたらなにか書くかもしれません。

んでもって。
もうすぐリアル脱出ゲームを始めてから1年が経つので、主観全開個人的好み爆発のランキング書いてみます。
熱が冷めてから書かないとあれかもですが、まあ勢いも含めて。

1位:忘れられた実験室からの脱出
1位:魔法禁書エンラッドからの脱出
3位:潜水艦ポセイドン号からの脱出
4位:マッド博士の異常な遺言状
5位:人狼村からの脱出

夜の遊園地(ただしデバッグ参加)や摩天楼もかなり好きですし、マグノリアやオークションも良かったのですが、今だとこうなっちゃうかなぁ……人狼村は遊園地や摩天楼とほぼ一緒だからちょっとした気分でまた変わりそうですが……今は、こんな感じ。
ていうか、これ、ほとんど、ストーリーとして好きな順だわ。全体の出来だとまた変わってくるかもしれません。
結局どこまでも物語好きの本読みなんだな、わたし、と、痛感しています。

まとまらないうえに長いなあ。あ、ねこの日だ。にゃあにゃあにゃあ。
posted by こうや at 22:22| 東京 ☀| Comment(2) | 謎解き/脱出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
通りすがりの者です。

「忘れられた実験室からの脱出」に先日参加しまして、
同じくあの体験にとても感動しました。

こうやさんがまとめているとおり、リアル「物語」ゲームであったなあ、と。
謎を解くことによって、物語への没入が深くなり、
いつもは苦笑いして見るようなエンディングも、素直に感動してしまったのでした。

それにしてもパズルガールズ、ほんとスゴイですね(^o^)
Posted by fittle at 2014年03月25日 23:04
>fittle さま

わー!すっかり反応遅くなってすみませんー!

ね、リアル脱出ゲームである以上に、物語を紡ぐ体験をできたなあと思います。
つけたしや蛇足、解いてる間は忘れてしまうような設定や物語ではなく(他の公演がそうだと言っているわけではないですが)物語に没入するための謎であり、それがあっての物語だったなあと。

ま、若干反則?(笑)な気もしないではないですが、本当に、公式アイドルというだけのことはあるなあと思ってしまいました。
パズルガールズ、次回公演も発表になったので、楽しみに行きたいと思います。
Posted by こうや at 2014年04月22日 22:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]