2013年12月25日

怖いものは怖い

あまりにも怖くてこれは言語化しておこうと思うので書き散らします。

三津田信三さんの憑くものシリーズは、すごくこわいけれど続刊を待ち焦がれる魅力にあふれています。

もともと怖い話というものが苦手でして、それでも思い返すと怖い怖いと思いながらも怪談本をめくってみたり七不思議や何歳まで覚えていると死ぬというような話を読んでいたものです。それでも怖くてひとりで暗いところに行けなかったなぁ。
小学生のとき、弟の幼稚園の園祭?でやっていた教室を使ったお化け屋敷に入り、床に蛍光塗料で描いたお化けを踏んで先に行くことができず、号泣しながら入り口に戻ったこともあります。(それ自体よりもそのときに親に「いい歳して泣きわめいて恥ずかしい」と吐き捨てられ怒られたほうがトラウマでしたが、しばらくは少しでも光る床に体重をかけることができませんでした)
それでも気づくと怖い話に手を出してしまっていたのは、ミステリ読みであり、ファンタジーの一系統として妖怪などが好きだったからかもしれません。
特に日本の妖怪は好きで、だからこそ、京極夏彦さんを知ったときは興奮したものです。
それに、ミステリ作家はえてしてホラー作品も書いていて、赤川次郎さんや綾辻行人さんの作品を読み連ねていくとやがてホラーを読んでしまったり、恩田陸さんもその系譜に連なります。

最近、といってもだいぶ前ですか、いつ頃だったかに改めて横溝正史にハマり、一作ずつ買っては読み買っては読みしていました。夜歩くまでは読み返したなぁ、何がきっかけで続きを追わなくなったのか。
たぶん、そこから三津田信三さんに入りなおしたからなのでしょう。

このミスだったか本ミスか何かで、刀城言耶シリーズの三作目が大賞に選ばれていたような。そのときにようやく名前を知り、でも表紙からして見るからに怖くて、ずいぶん敬遠していました。
ただ、横溝のようなねっとりとした日本の陰の部分を濃密に残したミステリを読みたくて、手にとったような気がします。
余韻の残るミステリは好きで、たとえそれが恐ろしい余韻だったとしても、有る程度以上謎が明かされていればそれは。
そして何より三津田さんの筆致が、たまらなく魅力的でした。

ただ、作家シリーズには手を出していなくて。あらすじを読んでもそれほど惹かれず(だって明らかに怖そうなのです)ひたすら憑くものシリーズの続刊を待っていたのですが。
ふと。新刊を手にとり、ふと、その姉妹編の前編にあたる本をなじみの本屋さんで見つけてしまい、ふと、買ってしまったのが、はじまりでした。
『蛇棺葬』は、疾走する電車内で読み終えたよですが、いやあめっぽう怖かった。人工の光にこんなに安心したことはありません。
そして安心したいがために買った『百蛇堂』はますます怖かった。ある程度謎が解けたのに、いやだからこそ、怖かった。

ただですね。
さすがにアラサー女子なので、昔のようには怖くないわけです。
ありがたいことに都会の近くで家族と暮らしているので、濃密な闇に包まれて帰ったり長い夜を孤独に過ごすこともなく。
今回の作品でいえば、わたしは明らかに狙われる側ではなく。どちらかというと、怪奇の側に近い外見であることは自覚しています。
部屋に長い黒髪がへばりついていたりびっしりからんでいても、「あ、掃除しなきゃ。海藻類ももっと食べたほうがいいかなー」と思いこそすれ怖がることもなく。
執着されるほどの感情を抱かれたこともないですし、誰よりわたしを可愛がってくれた祖父も石持浅海さんの『ガーディアン』にはなれどわたしを怖がらせることはないと確信しています。
でも怖いのは、ふとした電柱の影の暗がりや、何かが起こりそうな予兆や、そうした目の端のなにか。
起こってしまえばむしろ怖くない、その予感が一番怖いのです。
特に日本の、怪談や、ホラーは。
百蛇堂だってそうじゃないですか。そこからさらに何かありそうなのが怖い、逃げてるさなかが一番怖い。
小野不由美さん『悪夢が棲む家』だってそうです。起こってしまったことより、何かが起こりそうなこと、それ自体が怖いわけでしょう。
そんなことを思いました。

ちなみに、わたしが未だに自分史上最高に怖かったと断言できるホラーは、吉村達也さん『初恋』です。
あなたも明日から実践できるホラー!です。
だからこそちょう怖いです。
要するに、怪物や幽霊や化物やそういうものよりなにより、人間と、人間の情が一番怖いのです。
あれは怖い……本当に怖い。
再読不可な作品ナンバーワン。

ちなみに、映像作品はインパクト強すぎるので無理です。ゾンビもスプラッタもホラーもバトルロワイヤルもヤクザ映画も無理。刺激が強すぎます。なにせスパイダーマン2が怖くて泣いたくらいですからね。突然とか、そういうのに弱いです。

はふん。
落ち着いてきた。
はやみねかおる先生『都会のトム&ソーヤ4』を読んで心を落ち着けたいと思います。

あ、でも、三津田信三さんの作家三部作、前二作も今なら読めるのではないかしら……
家族がいるうちに、ああ……
posted by こうや at 22:12| 東京 ☀| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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