2012年06月09日

信じて飛べ!

私が古舘春一先生の『詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。』を愛してやまないことはもうみなさまご存知かとは思いますが、そんな先生の最新作がついに単行本になりましたー!
バレーボール漫画です。『ハイキュー!!』。
設定自体はすごくシンプル。中学最後の試合で敵味方として出逢ったふたりが、高校で味方どうしとして再会するというもの。
主人公は熱血で真っ直ぐ、バカだけど一本気。常人離れした突出した才能とまでいかずとも(今のところ)、元々の素質と努力と熱意で魅せる子。いわば太陽。名前もそのもの、「日向 翔陽」。
そしてライバルでありもうひとりの主人公なのは俺様。完璧なコントロールと計算、そして自他にいっそうの高みを求めるストイックな面も。本人のトラウマともなっているあだ名が体現する人物。いわば闇。名前もそのもの、「影山飛雄」。
もう、これだけで、泣けますよね。ていうか実際、この4行書きながらうるうるしてます。
なんといっても、スラムダンクとタッチ、H2で育った世代としては、王道のスポーツ漫画ってそれだけで胸が熱くなるわけですよ。かなりギャグ部分も多かったにせよアイシールド21も大好きでしたし、初期のテニスの王子様だって楽しく読んでました(笑)
そんな私が、こんなまっすぐなスポーツ漫画に、まして敬愛する春一先生の漫画に、ときめかないわけがない!
この作品は二度の読切を経ての連載で、二度の読切とこの連載第一回でかなり変化があり、その(あえていえば)「成長」にもぐっときてしまいます。
そしてこのね、第一話がね、たまらないのです。これで泣けたらもう買うしかないですよ。こういうの好きな人は絶対たまらないと思う。
試し読みもあるので、よろしければぜひ!
何度読んでも泣けます。

しかしここですごいなあと思ったのは、主人公への共感や同調を排していることです。
ストーリー自体は日向の視点を中心として描かれるのですが、日向に寄り添う読者を、絵が、突き放す。
第一話の日向、「まだ負けてないよ?」のコマ。ここの日向は、明らかに、「異質」なものとして描かれています。
それを証明するように、ここで突然、語り手は影山に移動。日向は「影山から見た」存在、得体の知れない存在であり、影山が求め憧れている存在(不屈の精神)を備えているような人物として描かれるのです。
そして。
そこで。
忘れられない瞬間が、訪れる。
「異質」なものとしての日向が、主人公としての特性を、そこで、見せるのです。
魅せるのです。
しかしその魔法は解け、読者は再び日向に寄り添うことになります。

逆に言うと、日向を主人公たらしめるためには、日向の「異質」さを物語れる、そしてその「異質」の価値を理解できる人物が必要であり、それが、影山なのです。
強い日差しのそばに濃い影ができるように。
日向があれば影がある。
それが二人の関係。

最初の読切のときは、アイシにちょっと似てるかな、と思いました。自覚のない才能を持つ主人公を、先達が「見出す」物語。だったから。
それが、「出逢う」物語になり。
そしてこの連載で。主人公がもつ才能は技術の才能ではなく、その精神にあるのだと。
そしてそれは主人公の性格と、特性と強く結びつき、また主人公にその才能の自覚がないのではなく、それを「当然」と捉えていることが浮き彫りになったとき。
そんな「異質」が、「繋ぐ」ことが何よりも大切なスポーツであるバレーボールの一選手として組み込まれていくためのドラマが、これからつむがれていくのだとしたら。
それは、古今東西の名作にも「繋がる」、面白さを備えるに違いないことが、見えてくるのです。

二人が入った高校は「烏野」高校。烏の黒さは影山につながります。
三度(以内)のタッチで相手に送るのが、バレーボール。
そこから、三本の脚を持つ八咫烏を想像しないではいられません。
八咫烏は太陽の化身、それは日向につながります。
そして八咫烏は、信仰の対象でもあるのです。

……ああもう、本当に、あらゆることを言いたくて、まだまだ言いたいことがありすぎてたまらなくてでもそういうの全部おいておいて単純に漫画として す ご く 面 白 い そんな『ハイキュー!!』、すごくオススメです。
IMG_0987.JPG
我 慢 し て 買いました。これで我が家に古舘春一先生の単行本が9冊ある計算になります(待って4種類しか出てないよ)

自分がキモすぎてさすがにドン引き。

ちなみに。購入日から毎日『ハイキュー!!』読んでますが、未だに新発見の連続でこれほんと面白いね!!!!!!!!
posted by こうや at 09:00| 東京 ☀| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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