2011年09月19日

面白茶会(夜)@bistro321

ある夜のこと。
とても楽しそうなお茶会のお知らせが、ツイッターのタイムラインに流れてきました。
おお、と思っていると、補足として「(別の)ルフナは出ます」との文字。
あらま、なんだかピンポイントで釣られた予感。そんな、そんな分かりやすいエサ……
……もちろん、引っ掛かりますよね。
はい、そういうわけで参加してまいりました。
紅茶の貴公子こと熊崎俊太郎さん(ティーブレンダー)主催の、面白茶会・夜の部です!!
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今回は昼の部と夜の部とがあり、それぞれ異なったテーマのお茶会だったそうです。お昼もなかなか面白そうで気になりました。
誰かレポ書いてくれないかな〜……|д゚)チラッ

ちなみにどちらも会場はプランタン銀座7階にある「bistro321」。今月で閉店してしまうそうで残念。フィーユ・ブルーさんの紅茶を飲める貴重なレストランでございます。気になる方は今のうちに、ぜひ。
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眺めも良いですよ。

さて、わたくし面白茶会に参加するのはこれがはじめて。ぼっち参戦なので内心どきどきしておりましたら、顔見知りの方がたくさんいらしてひと安心でした。ご一緒してくださったみなさま、ありがとうございます(*´∀`*)
熊崎さんもたいへん楽しそうにたくさんの紅茶とお話をくださいました。
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18時、あちらとこちらの境が曖昧になるたそがれ時を過ぎた頃、酒池肉林ならぬ茶池茶葉林(笑)の時間がスタートです!

ウェルカムティーは、2011ダージリン・ファーストフラッシュのティーソーダ。フルートグラスにソーダ味の金平糖を沈めて、上からティーソーダを注ぎ入れます。金平糖の佇まいがあまりに愛らしくてうっとり。ただしソーダと炭酸に阻まれてダージリンの味がちょっと隠れていたかな? それでも香りは良く、心地よい渋みも感じられましたが。
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ソーダ割りにしたあとの茶葉を低温で再度蒸らしたものをこの後飲み、ちょっとした茶園当てもしてみたのですが、見事に当たりませんでしたw ダージリンそんなに詳しくないのでまあ仕方ないよね……と言い訳。2011年のグームティ農園だそうです。ちょっと悔しい(笑)
ちなみに、テーブルセットされていたのがパン皿1枚とティーカップ1つ、デミタスカップ 4 つ ……後ほど更にカップ1つ追加され、ひとりあたり使えるカップが6つもあるというおかしな事態になっていました(爆)このお茶会、何かがおかしいぞ(笑)

企画趣旨を説明されているうちに前菜が登場。左上から時計回りに、魚介のマリネ・カプレーゼ・パルマの生ハムです。
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モッツァレラ大好きなのでカプレーゼに舌鼓。生ハムはなかなか存在感のあるおいしさで、魚介のマリネが口の中をさっぱり仕上げてくれました。うまうま。
メイン待ちの間に出てきた紅茶はフィーユ・ブルー(アメージングティー?)のマスカット。と、マスカットフレーバーを付ける前の原茶。
マスカットティーはこく〜んさんで飲むよりさらに香りを強めに引き出してある淹れ方で、好みに応じて原茶と割ってくださいとのことでした。
しかしこんなことができるのは、元々の紅茶をしっかり作っているからこそ。熊崎さんもおっしゃっていましたが、フレーバーティーにおけるフレーバーはあくまで化粧。厚塗りしすぎるばかりではなく、土台のスキンケアをきちんとしておくことで少しの化粧が良く映えるのです。……ちゃんとお肌の手入れしよう(自爆)
この原茶が大人気でした。「これだけで売ってくれ」の声が飛び交うほど……癖がなく、するすると飲めるブレンドティー。どんな食べ物にも合いそうです。それと比べるとマスカットティーは香りが強く、香りと味のギャップに少し戸惑ってしまいました。香りから期待するイメージと味が違う……これはフレーバーティー全体にもいえることですが。
ところが。
メインのステーキがやってくると話は違います。
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少し話はそれますが、このお店の売りはステーキなのだそうです。炭火焼なのだとか。
しかし私、まともに牛肉食べるのは久々、たぶん15年ぶりくらい。思い返すと青山TFでビーフシチューやハンバーグ食べたりサークルの友人と焼肉行ったり(カルビ一切れくらいは食べた筈)と、まったく牛肉を食べていなかったわけではない筈なのですが、普段は魚や鶏・豚の方が圧倒的に多い。
しかもステーキなんて、もしかしたら生まれてはじめてかもしれないという状態。今回いただいたのはUSリブロースステーキ150gです。見よ、この存在感!
……半分ほどでギブアップしましたorz 一度にたくさん食べるのはどうも負担です。75gぶんの命を味わわせていただきました。すみませぬ。
ええと、そのステーキと共にいただくときには、マスカットティーがぴったり、でしたよ!
お肉の強い味に負けないマスカット、その酸味がさっぱりと口の中の脂を洗い流してくれます。逆に原茶だと完全に香りが負けてしまい、存在感がありません。
マスカットの原茶割りも試してみましたが、香りが弱くなる分お肉に負けてしまいやすくなるので、割らないでそのまま飲むほうが良かった。それは意外な発見でした。
単体で飲むのは原茶が良いですが、食べ物との相性によってフレーバーティーがここまで活きてくるのです。もちろん、土台がしっかりしているからこそではありますが。
また、ステーキソースに少しお醤油をたらすと味わいが深くなっておいしかったので、マスカットティーにもちょびっとたらしてみました。
……意外にイケました。ステーキとの相性はさらに良くなり、単体で飲むときにもマスカットフレーバーがまろやかになっておいしい。お醤油、オススメです(笑)
あとフランスパンwithオリーブオイルおいしかったです。お行儀悪いですが、最後までちまちま紅茶のお供に食べ続けておりました。

さくっと食べ終えたところで自己紹介タイム。10名のこぢんまりした会でしたが、みなさま経歴が! 濃い! みなさまの「紅茶と私のなれそめ」トークがそれぞれ面白くて、楽しく聞かせていただきました。紅茶との出会いも紅茶とのスタンスも人それぞれ、それでもみなさま「紅茶(お茶)が好き」。これだけ広いの、いいなあ(´∀`)

デザートはお店のイチオシ、「とろけるティラミス」です。
合わせるはフィーユ・ブルーのパルフェタムール。私の大好きな紅茶! これも原茶と飲み比べられるようになっていました。
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そしてここで衝撃の事実が発覚。どうしてフレーバードティーの苦手な私がこの紅茶はおいしく積極的に飲めるのか。
それは、フィーユ・ブルーさんの製品の中で唯一、パルフェタムールはベースに ル フ ナ が 使 わ れ て い る からでもあったのです!!!
……私の味覚ェ……orz
あまりに歪みない自分の感覚にさすがにびっくりしました。ルフナとケニアのブレンドがベースなのだそうですよ。
原茶は、香りと飲み口は完全にケニア。そして喉越しと後味にルフナを感じられます。なるほど原茶を飲むとルフナがありますね。ただスミレとバニラの香りがしっかりとついていることもあり、パルフェタムールからルフナを感じるのは至難の業かも。ちなみにケニアはCTC、ルフナはBOPタイプのため、ケニアが最初にきてそれを追いかける形でルフナを感じるという印象は熊崎さんの狙い通りのようです。うむむ、さすがですなあ。
こちらに関してはマスカットと異なり、原茶よりもパルフェタムールの方が人気でした。原茶は確かにそのまま飲むには少し硬い印象、ただ口直しにもってこいの味なので私はこれも好きだなあ。しかしそれはこれだけたくさんの種類の紅茶を飲み比べるこういう会だからこその感想なのかもしれませんが。
ティラミスはカカオやエスプレッソの強い香りとチーズクリームの濃厚な甘味が特徴なので、がつんとしたケニアとルフナに裏打ちされたパルフェタムールの華やかな味わいがよく合いました。バニラの香りがなじむのもあるでしょうね。パルフェタムールおいしい。大好き。

この時点でティーソーダ一杯、ダージリン一杯、原茶、マスカット、マスカット原茶割り、マスカット、原茶、マスカット原茶割り、原茶、パルフェタムール、パルフェタムール……ざっと思い出せるだけで11杯飲んでる模様。怖い(笑)

さてこのあたりからいろいろとこぼれ話やあれこれたくさん面白いお話が出ていたのですが、ちょっとそわそわし出してしまったためあまり覚えてません。
なぜそわそわし出したかって?
それは、メインたるルフナが出てきたからですよ……!
セイロン5種(最近は7種になりつつありますね)のうちのひとつ、ルフナ。その代表茶園のひとつであるデランガラ・ヒルズ農園が、手もみの一葉茶を作ったそうです。
それが、これだ。
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見た目は中国茶だね、との評判。茶葉を食べてみるとこりこりとしてかすかな甘味と爽やかな渋みが感じられます。これは本当にルフナか?
ティーカップに淹れてのんびり蒸らしてみましょう。
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これだけ大きい茶葉、しかも生茶の手もみだおちょっとやそっとでは抽出されません。お湯が冷める方が早いくらいです。

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ちょっとほとびてきたかしらん。この頃はまだ「なんとなく甘いお湯」程度。

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なんだか中国茶っぽい印象。ルフナとは思えないほど軽やかな味わいです。
ルフナのスモーキーな香りは強発酵の過程で生まれてくるもので、今こうして味わっているのは土地自体、茶葉自体が持つ味わいなんだとか。

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最終的にどれくらい経ったのでしょう。1時間近くかな? 蒸らしても、ほんのり色づく程度でした。そして鼻に抜ける軽やかな甘味。この甘味自体は確かに、確かにルフナなのですが……なんだろう、チャレンジブルではありますが一度飲めば満足みたいなお茶でした。
一芯一葉、結局綺麗に開くまで待てなかったので、手で無理やり開いてみました。こんな感じ〜。
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しかし私はもっと、スモーキーな香りをほのかに立ち昇らせつつも喉越しが濃く、後味にお芋や黒糖のような甘みを残す……正統派のルフナが好きです。おかしな特徴づけをしたり希少価値を高めなくていい。スモーキーを強く感じたいなら祁門を飲むし強い甘みが欲しいならアッサムを飲むから、もっとその両者のバランスをとった優等生ルフナをください。

これはわがまま。

このルフナの蒸らし待ち時間に、たくさん紅茶が振る舞われましたよ!
まずはサバラガムワ。Galpaditenna T.F.のお茶です。聞き慣れない茶園というか工場名。
サバラはルフナより北に位置するためそれだけ高度も上がり、その分軽やかな味わいという印象がありましたが、これはむしろ少し硬めな感じ。先ほどのルフナと硬度の異なる水を使っているせいでもあるかもしれません。飲みにくくはないのですが、もう少しまろやかさと甘味があってもいいかなあと思いました。ルフナらしさでいえばパルフェ原茶の後味の方が感じやすかったかも。
そしてさらに高度が上がってディンブラ・ストックホルム。注がれた瞬間に「ああ、ディンブラだ……」とため息をついてしまうくらい、ほっとする香りと味です。ディンブラは愛好者が多いのも頷ける、渋みと旨味の見事に共存した万能紅茶。紅茶といえばこの味、という味です。
そして山を越えてウバ(茶園失念)。メントール香はそこまで強くなく、しかしきちんとパンジェント(笑)な強さもあって、こういう茶会の中で飲むときにはありがたいと思いました。毎日ごくごく飲めるタイプのお茶ではないけれど、こういうのがないと茶会が締まらない。私の中ではダージリンと並んでおすまし紅茶の代表格です。

そして今度は海を越えてダージリン。熊崎さんのまかないブレンドです。
これが滅法うまかった!
香ばしさが先に立ち、しっかりとした味わいはほうじ茶のようでありながらさらに華やか。ごくごく毎日飲みたい紅茶です。
飲みながら口々に「これを売ってください」「受注生産」などのお願いが飛び交うくらい(笑)変に鼻や喉に引っ掛からないので飲みやすいんですね。でも特徴がないわけではなく、単体で完成されています。おすまし紅茶とこういう日常茶が共存できるのも紅茶の魅力ですね。
〆はアッサム。最近では珍しく、後味にお芋系の甘味を感じられる茶葉でした。しかし軽やか。個人的にはアッサムはもっと濃い目に出して欲しかったのですが、今回使った茶葉だとこれが限界でこれ以上蒸らすと雑味が出てきてしまうのだそうです。残念。ミルクを少し加えるとこっくりしたミルクティーになりました。しかし調子に乗ってミルクを入れすぎたら若干押され気味に……が、がんばれアッサム!(自分が悪い)
おまけの紅茶などもあり、どのポットも空になるまでたっぷり飲ませていただきました。
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カップフル活用。

近年、ダージリン地方のストライキやオークション高騰など、紅茶関連もいろいろと動きが出てきています。製茶技術も高くなっており、最近では地方ごとの味の特色というよりも製茶過程でいくらでも味に変化を付けられるようになりました。そのため余計に「売れそうな方向性へ流れる」傾向が強くなっているようです。
茶園で働く方々が不当に搾取されているならば許されないし、待遇改善なども分かりますし、そのために値上げされてしまうならば仕方ないかもしれない。でも、安易に流れる製茶の方向性や異常なブランド化は、正直やめてほしい。
変わったものばかりではなく、真っ当な、真っ向勝負のものを飲みたい。もちろんその味のイメージ自体が押しつけなのかもしれませんが。
最近はピンポイントを狙いすぎなものばかりな気がするのです。それが行き過ぎるとますます紅茶が一部の人だけのものになってしまうのではないかしら。
熊崎さんの目標でもある「日本国中の人びとが、今の生活にプラスして週に一杯ティーバッグの紅茶を飲む」ようになるには、もっと紅茶の裾野を広げられるようになる必要があるのだと思います。高みを求めるのではなく(それが悪いと言うつもりは毛頭ありません)、横に広がる努力。それを担うもののひとつに紅茶飲料がありますが、あれはあれでかなり迷走しているもんなあ(白目)カロリーオフや糖質0やパンジェンシー()……その前にもっとやってほしいことはいろいろあるのですが。
何よりもまず「紅茶はこういうものだ」という味に対する理解を深め、そこからさらに「家でお湯を沸かして飲む」習慣が広まること。
一部の紅茶好きが愛好するには限界があります。もっともっと多くの人が少しずつ飲むようになるほうが、ずっと紅茶業界のためには効果的。
噂では、マクドナルドは年間3億個のティーバッグを買っているそうです。リプトンイエローラベル、ひとつ2gとすると年間6億g=600t。
私はだいたい年間少なくとも3kgは消費しているのですが、マクドナルドと同じだけ消費するには私が2万人必要な計算。
私を2万人用意するよりも、全世界で年間20人にひとり(日本国内に限ったとしてもひとりが4ヶ月に1回程度)紅茶をマックで飲むほうがずっとずっと現実的な気がします。
つまりは、そういうことだ。
紅茶を至高の存在とするのではなく、むしろもっと身近な、日常的なものとしていくことができれば。
そしてそのために、私のような在野の紅茶好きが何をできるか。
そういうことを考えていけたらなあと思ったのでした。

すみません、ほんとルフナに頭の大部分を持ってかれてだいぶ茶会の内容がありませんが、そんなことを思った茶会となりました。
少しでも言いたいことが伝わればいいなあと思います。

最後におまけ。某グルメ漫画っぽく「究極の紅茶vs至高の紅茶」なんてことになったときには、製茶段階どころか土を作るところから始めなければいけないねなんて笑い話が出ました。土からwwwww それ何年単位の対決www

さらに思い出しおまけ。
オゾン層が破壊されて紫外線量が増えると、それだけ茶葉は苦味を増すのだそうです。なんてこった。そのうち抹茶並みに日差しを遮って作られた紅茶など出てきそうですね。シェードツリーがものすごく枝を伸ばしたりなんかして。

さらにさらに付け足し。
みなさま、飲むなら一番オススメの紅茶飲料は「ジャワティーストレート」だそうですよ! これどの紅茶好きさんも好きですよね。変なもの入ってないから(ビタミンCすら入っていないという衝撃)きっちりお茶の味がするそうです。


こんな感じでおしまい。3時間半の長丁場、たっぷりお茶は飲みましたが、どれも軽やかな雰囲気のものだったのでちょっと物足りなかったかな?
でも家に帰ってルフナを飲むというのもアレかなあと思ったので、フィーユ・ブルーさんの新作・ロマンスをいただきながら記事を書いてました。
ロマンスは薔薇の香りと……すごく葡萄っぽいような、赤ワイン系の香りのするフレーバードティーです。熱々のときのトップノートは正直香水のような香りで元々薔薇の香りの苦手な私には強烈なのですが、淹れ立ての熱々よりも少し冷めた頃のほうが香りと味がなじんですごくまろやかで甘い味わいになっておいしい! 長時間持ち歩くタンブラーに詰めたりまったりじっくり飲むときにぴったりなので最近重宝しています。
え、ていうか、私飲みすぎ……?(苦笑)


ああ……アルゼンチンのお茶とかすごい気になる……(ぼそっ)
posted by こうや at 23:00| 東京 ☔| Comment(2) | 紅茶屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
究極の紅茶が作りたければ遺伝子をいじればいいじゃないかw

おつかれさまですw 機会があったらこういうのも楽しそうだね。
Posted by dirk at 2011年09月20日 03:40
>dirk さま
土を作って、遺伝子いじって、製茶過程も工夫して、淹れ方も器具もこだわって……
凝り出すと際限なくなりそうで恐ろしや(笑)

忘れる前にレポがんばりました。読んでいただきありがとうございます。
面白茶会とっても楽しかったので、機会があればぜひぜひ〜(´∀`)
Posted by こうや at 2011年09月20日 15:59
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