2009年08月11日

【t10-1】喫茶おとら

0802otorabig1.jpgあるとても暑い日。
歩道がフライパンのような様相を呈し始め、まだまだナマモノ=生物でいたかった私はある喫茶店に飛び込みました。
それがここ、喫茶おとらです。
古風な名前とは裏腹に歩道側は全面縦長のガラス張りで、棚板代わりの横木が印象的。ちょこんと出された看板にはしっぽをくるりと丸めた猫が白抜きで描かれ、シンプルなかわいらしさがありました。
そして一歩入ると、ジャズが流れる心地良い空間が現れます。
入って右手にあるのは、蔵の扉を再利用したという大きなテーブル。椅子はゆったりと5席あります。中央には動物の写真集や東海林さだおの本、おとらを紹介している雑誌などが置かれていました。
左手の壁にくっつくようにして二人掛けのテーブルが2つ縦に置かれています。その奥、キッチンスペースを囲むようにL字型のカウンターが5席。カウンターは大きな一枚板に見え……木の持つ元々の印象を失わせない武骨な雰囲気がたまりません。
これでお店はいっぱいです。たった14席の小さな喫茶店は、無理に詰めて席数を増やすよりもゆったりと過ごすことを重視しているように感じられました。
カウンターと二人掛けにはそれぞれ先客がいたので、敢えて大テーブルへ。店内すべての椅子の背には毛織物がかかっています。膝掛けにも使えるのでしょうか。それぞれ色合いの違うそれを見てふと癒されました。
暑くも寒くもないまったりとした店内の空気に包まれてほっとひと息つくと、店長さんがお水とメニューを持ってきてくれました。冷たいお水でさっぱりしたら、メニューを吟味。
お目当てのスコーンはちゃんとありました! やった! セイロンティーも、ヌワラエリヤ・ディンブラ・ウバと揃っています。さてどれにしようかと考えたとき。
……なんだ、スコーンも選べるケーキセットがあるではないか。
お得なセットがあったので、思わず即決してしまいました。選べる紅茶はニルギリかアールグレイ。フレーバーティーの苦手な私にとってニルギリしか選択肢はありません。でもいいの。安いから。
まだ汗も引ききっていないのに、うっかりホットで頼んでしまいました。でもいいの。安いから(謎)
間もなく、カップとストレーナーを持ってきてくれました。主待ちのポットマットとティーコゼーは、綿がたっぷり入って見るからに保温力がありそうです。
本を読みつつ横目でティーコゼーを眺め、なるほどこれは作るときに参考になると思っていると、白いぽちゃっとしたティーポットが店長さんに連れられてやってきました。そのまま飴色の液体がカップに注がれます。店長さんの手つきはまるでワインを注ぐソムリエのよう。まずはひと口いただきます。
熱っ!
唇に触れた紅茶の温度が思いがけず、目を白黒させてしまいました。びっくりした。淹れたてだということが明らかにわかるこの温度。しばらくは飲めそうにありません。
カップをソーサーに戻し平静を装っているうちに、スコーンも登場です。白いお皿の上にちょこんと置かれたスコーンはかなり小ぶり。これでは足りないかな、と思いつつ、まず一つを手に取ります。プレーンスコーン。二つに割ろうとしたときの、想像以上のずっしりとした重みに驚きました。これは思ったよりも期待できるかもしれません。
クロテッドクリームはヨーグルトのような不思議な感触。軽く塗り付けて、上からレモンカードを塗ります。
かぶりつくと、ふわっと口中に爽やかなレモンの香りが! そしてひと口とは思えないほどしっかりとしたスコーン……
はわわわわ〜。
やや至福を覚えつつ、ニルギリを飲みます。ある程度冷めていたので安心し……え? これ、本当にニルギリ?
ニルギリ特有の飲んだときの渋さがなく、喉の奥でぱっと何かが咲いたような味わい。喉に引っかからずするする飲めて、そのたびに喉の奥で咲く花。こんなニルギリは初めてです!
正直感動しました。ニルギリおいしいです。ニルギリがこんなに飲みやすい紅茶だとは知りませんでした。侮れんな。
スコーンを一つ食べると、ニルギリとの相乗効果もあってかだいぶお腹が満たされます。一旦休憩しよう。二杯目のニルギリを注ぐ……段になって気づきました。私、ミルクもお砂糖も入れずにニルギリ飲んでたぞ。
これは珍しいことです。たいていどちらか、ほとんど両方入れる癖のある私が、スコーンと一緒にとはいえ何も入れずにお店の紅茶を飲むなんて。よっぽどおいしかったのですね。
ちなみにどうしてこんなことを言い出したかというと、ポットが熱すぎて二杯目を注げなかったためです。いろいろ考えて時間を潰してみてもそう容易に持てる温度にはなりそうにありません。ハンカチを巻きつけ、おっかなびっくり注ぎました。
二杯目はさすがにだいぶ濃くなっていたので、ミルクを加えます。おお、良い色。こくこく飲みつつ本を軽く読み進めて、二つ目のスコーンへ。二つ目はレーズンスコーンです。微かな甘さが魅力的。こちらにもたっぷりクロテッドクリームとレモンカードでいただきます。やっぱり合うなあ、おいしいなあ。
スコーンを二つ食べ終わる頃には、すっかり満腹になっていました。サイズの割に存在感のある奴らです。おいしかった。
二杯目のニルギリも楽しめ、いよいよラストバッター。三杯目。見るからに渋そうな色合いでティーポットから現れました。ミルクを入れて美しい色味になるも、ひと口……目からもう渋い! これは満を持してお砂糖の登場ですね。
テーブルの上には上白糖とザラメがありました。面白そうなので粒の荒いザラメを投入。くるくるかき混ぜて、ごくり。
……やわらかい甘みで渋さが中和されておいしい〜。
最後まで楽しくいただけました。

柔らかみのある真っ白な壁と、ナチュラルでシックな……でも決して甘すぎない家具。紅茶を口に運びつつふと外を見たときに目に入る、棚に並んだオブジェのかわいらしさ。
どれを取っても文句のない、大変くつろげるお店でした。唯一の不満は家のそばにないことくらい?(爆)
あのあたりに足を運んだときにはぜひまた行きたい喫茶店となりました。

ところで、公式ブログを見ていてふと気になったこと。
このお店は普段Teejの紅茶を使っているのですが、今年のヌワラエリヤ クオリティーシーズンは別の卸業者さんと取引をしたそうです。
ヌワラエリヤ ラバーズリープのノンクローナルティーって……もしかしてG clefのことではないかしら?
そんなことに思い至って、なんとなく嬉しくなったのでした。
おいしい紅茶を飲めることはとてもしあわせなことですね。
店名  :喫茶おとら
所在地 :東京都文京区向丘1-9-18
最寄駅 :東京メトロ三田線 白山駅
営業時間:9:00-20:00
定休日 :年末年始、お盆
公式HP:http://www.o-track.com/index.html
参考予算:ランチセット¥950-、ケーキセット¥850-
posted by こうや at 20:00| Comment(0) | 紅茶屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]