秋期限定栗きんとん事件(上)(下)
著:米澤穂信
出版社:創元推理文庫
価格 :¥735-
発売日:2009/3〜
この本は上下巻です。
そういう場合ここには上巻の表紙画像を載せるべきなのでしょうが、敢えて下巻をチョイスしてみました。趣味です。文句あるか。
ちなみにクリックしたらきちんと上巻紹介ページに飛びますよ。余計に分かりにくいかもしれない。すみません。
さて。
春期限定は、高校一年生の春のお話でした。
夏期限定は、高校二年生の夏休みのお話でした。
そうすると秋期限定はどうなるか?
実は……高校二年生の秋から高校三年生の秋にかけての一年間にわたるお話なのです!
今までは短編集の様相を呈していました。春期限定は基本的に短編集ですし、夏期限定も連作短編です。
でもこれは。秋期限定は、長編小説なのです。
しかも突然の上下巻。今まで短編だっただけに……長っ!
でも長いからといってうんざりするようなものではありません。長さに見合ったその謎に!感動すら覚えるのです。
この物語は、夏期限定の直後から始まります。誘拐(?)事件の直後。まだ校内がざわめいている頃の、蒸し暑い九月の話。
小鳩くんと小山内さんは、それぞれの生活を送り始めます。甘酸っぱい高校生活!ドキドキのお付き合い!初めてのデート!ああ……甘酸っぱいなぁ。
そして新たな登場人物も出てきます。例えば新聞部の瓜野くんは野心に燃える男の子。今回の物語では、彼は視点人物の一人として大活躍します。
瓜野くんが追うのは連続放火事件。船戸月報という、船戸高校内でもあまり読まれていない新聞部の発行する新聞の中で、犯行の様子と次回犯行範囲の予測を行っていきます。そしてその事件を別個に追うのは、我らが狐と狼。
基本的に別々に動く小鳩くんと小山内さん。ラスト、意外だったり意外でなかったり意外だったり(どっちだ)する結末に至るまで、二人はほとんど顔を合わせません。でも、だからこそ狐と狼が再会するとき……すべてが終わり、そして始まるのです。
今回、小鳩くんはあまり甘いもの行脚をしてくれません。春夏に比べて(読者にしてみれば)悲しい食生活!でもその方が私たちに近いのですが……それも悲しい。もっと豊かな食生活を私に(笑)
今回出てくる中で食べてみたいのは、何といっても桜庵の栗きんとんです。栗きんとんの概念(!)を一段押し上げる栗きんとん。それはどれほど美味しいのでしょうか!ああ食べてみたい。お正月に食べる栗きんとん以外の栗きんとん、是非とも食べてみたい。概念を押し上げたい。適切なアルバイト先(単純に職場でも良い)さえ見つかるならば、是非とも木良市に引っ越して小山内さんと共に甘いもの行脚をしたいほどでございます。きちんと運動して頭を働かせ、カロリーを消費すれば多少甘味を食べすぎたって大丈夫な!筈!
さてさて予告のとき、この作品は『秋期限定マロングラッセ事件』と言われていました。でも出てみたら『秋期限定栗きんとん事件』になっています。
どうしてマロングラッセから栗きんとんに変更したのか?それは……読んでのお楽しみ。
ちなみに私は初読後、即座に春期限定から読み返してしまいました。春夏と来て再び秋期限定を読んで、春期限定を読み返し、夏期限定に行き、三度秋期限定を読み、するとまた春期限定が読みたくなり……
恐ろしいスパイラル!
幸せなスパイラル!
それ程楽しく面白く、宝物のように愛でたいシリーズと相成りました。
無限スパイラル!
ううう、続きが気になります。
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